つぼみの「わたしのこと。」を読んで
読書感想文のタイトルみたいなんですが、読書感想文なので許して下さいね。
つぼみというAV女優さんを皆さんご存知でしょうか?男性なら「そんなもん箸は右手茶碗は左手レベルの常識だっせ」と思われるでしょうし、女性の方でもなんか名前は聞いたことあるという方もいるのではないでしょうか。
その彼女が初の自伝を出版したということで早速無い金を出して買ったんですが、なんとも言えない感情に包まれまして、それを自分の中で整理するためにこの文章を書いております。
もともと私つぼみを知ってましたし、何やったら好きだったんですが最近彼女がニコ生をはじめたということでタダやし見たろと思い観始めたらですね、見事に心を撃ち抜かれまして。
人間って話している内容とか、見た目の感じとかでなんとなくこういう人生を歩んできてこういう感じの考え方をする人なんだなというのが見えるじゃないですか。人となりをある程度推測できるというか。
つぼみさんはね、それがないんですよね。どういう感じで生きてきてなにがあったからその考えに至ったのか。全く推測できない。
例えばニコ生での定番のやり取りで持ちギャグみたいになっているのですが、
「仲のいいAV女優さんいますか?」
という質問に対して、毎回答えるのが
「仲のいいAV女優さん一人もいないです」
10年やってるんですよ?1000本以上出演してるんですよ?
他の女優さんとの絡みとかも相当多いのに誰とも交流を持っていない。
これは決して悪意があってとか、他の女優さんを見下してとかそういう発言ではないんですよ。なんの悪意もなく言っていてかつ事実であるという。素晴らしい。
そしてつぼみさん、自分のことをほぼ覚えてないんですよね。
動画がないので確認できないんですが、これまたニコ生でつぼみデビュー10周年?的な放送をやっていて、年表をみながら司会の方が「この賞を受賞されたときどのように思いましたか?」とかいろいろ質問されていたんですが、ほとんど「うーん…覚えてないですね…」と答えていたと記憶してます。(間違っていたら申し訳ない)
本の中でも『わたしは記憶を上書きする癖があって』とあるので、確かになと。
なぜこのおとなしい人がAVに出演したのか。
本の中で最初に出演応募の電話をかけるところの描写があるのですが明確な理由は描かれていないんですよね。
というか、もともとそんなはっきりとした理由なんて無い、というのが正解なんだろうなと。理由を欲しがっているのは他人だけで、本人からしたら「知らんがな」の一言なんだろうなという考えに至りました。
貯金はしていないし、必要とされなくなったら引退して誰にも知らせずひっそり暮らす、と本に書いていて、本当にそうなんじゃないかと思わせる雰囲気があるんですよね。
明日にもすっと表舞台から消えてその後も誰にも知られないように生きていくのではないかなと思うと、勿体無いなぁとかもっと上手く立ち回ればいいのにとか思ってしまうのであります。ただ、そういうところがつぼみさんの魅力なのかなとも思うのです。
それが最初に書いたなんとも言えない感情の正体なのかなと考えながら、みんなも同じ気持ちになればいいと思うので買いましょう。ね。